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CONCEPT

渋谷と音楽

メディアや表現形態が多岐にわたる現在においても、ポップ/ユース・カルチャーの発信源、牽引地として、日本はもちろん、世界的にも大きな注目を集め続ける街、渋谷。

音楽シーンを振り返っても、90年代には「世界でも有数のレコードが集まる街」として、レコード店が数多く軒を連ねた宇田川町一帯は「レコ村」と呼ばれ、日本だけではなく世界中からDJやレコード・コレクターが集う街となった。現在でもレコード文化の再評価などを通して、その文化は渋谷に根付いている。
更に遡れば、渋谷~原宿を繋ぐ歩行者天国では竹の子族やローラー族、いわゆる「ホコ天バンド」と呼ばれたロック・バンド、そしてパフォーマーなど、様々な才能がホコ天を彩った。ヒップホップの原点的な姿である「ブロック・パーティ」が日本で初めて行われたのもホコ天だった。 そして日本から生まれた一つの音楽的ムーブメントとして世界的にも認知されている「渋谷系」。ピチカート・ファイヴやフリッパーズ・ギター、オリジナル・ラヴらを代表的とする、様々な音楽ジャンルや時代性をクロス・オーバーさせたその音楽的ムーブメントは、一つの潮流となり、その影響は現在の音楽シーンや文化にも大きな影響を与えている。
また、現在においても、数々のライヴ・ハウスやクラブが密集する渋谷円山町。夜中にはクラブ・ミュージックが街を染め、日中や夜にはロックやアイドルのイヴェントが行われるという、その懐の広さも、この街の音楽を語る上で欠かせない状況だろう。

その「渋谷」を名前に関し、行われる大規模な音楽イヴェントが「SUPER SHIBUYA EXPO LIVE」。ここまで「渋谷の音楽」を書いてきた事は、このイベントに繋がっていく。 渋谷を中心に発生した音楽シーンは、上記のように様々な要素や世代が絡み合った「多様性」が原動力となり、拡散してきた。その意味でも、このイヴェントに登場するアーティスト達が持つスタンスや組み合わせは、そういった「多様性」を体現するようなイヴェントになる事を感じさせられる。

SUPER SHIBUYA EXPO LIVE

「SUPER SHIBUYA EXPO LIVE」に登場するアーティスト達を初日から順に見ていこう。

DAY1

まず「DAY1」に登場するのはスチャダラパー、cero、DJみそしるとMCごはん。日本のヒップホップ・シーンを牽引し、渋谷系ともカテゴライズされたヴェテランであるスチャダラパーと、アーバンな雰囲気を湛えた現代のポップスを生み出し、音楽シーンの先端を描くcero、そして「おいしいものは人類の奇跡だ!」をモットーに、食べ物やレシピについてラップするDJみそしるとMCごはんと、それぞれに独特で強烈な感性を持ったアーティストが混ざりあった時、どのようなカラーを会場に生み出すのか、非常に期待させられる。またこの日はDJとしてセク山が登場。ジャンル・レスなミックスで花を添えることだろう。

DAY2

オールナイトとなる「DAY2」にはライヴ・アクトとして、「TKサウンド」でJ-POPシーンの一時代を築き、現在も精力的な音楽制作を続ける小室哲哉、数々のフェスにも登場し、ポップ/バンド界隈から大きな注目を集めるガールズ・バンド:ねごと、クロスオーバーとしか形容できないジャンル・レスなサウンドをグルーヴさせるSLY MONGOOSEと、この日も非常に異色の取り合わせ。そしてDJにはテクノ・シーンを牽引し続ける石野卓球、TOKYO No.1 SOUL SETより川辺ヒロシというヴェテランに加えて、プロダクション・ユニットとしても活動するMONKEY TIMERS、フィメールDJのElli Arakawaがブッキングされ、それぞれが独自の視点で多様性の高い音楽を表現することになりそうだ。

DAY3

「DAY3」にはバンド・サイドとして、今年で結成10年を迎え、ワールド・ツアーも決行するなど、ガールズ・バンド・シーンを牽引するSCANDAL、ジャム/インスト・バンドとして海外でも高い評価を得ているSPECIAL OTHERS、そして1MC&1DJスタイルでヒップホップ/日本語ラップを体現するサイプレス上野とロベルト吉野が登場。まさに異種格闘技の様相を呈する、意外な顔合わせにして充実のメンツだ。

DAY4

幅広い世代が登場する前記の3日とは異なり、ニュー・カマーが顔をそろえるオール・ナイト「DAY4」。ライヴには韓国のラップ・シーンを代表するクルー「The Cohort」に所属し、「ASIAN TRAP」としてUSでもバズを起こしたKeith Ape“It G Ma feat. JayAllday, loota, Okasian, Kohh”など、数々の先鋭的な楽曲を生み出すOkasian。日本からはクルーとして東京のヒップホップ/TRAPシーンの一大勢力となり、数々の現場を沸かしているクルー「YENTOWN」から、MonyHorse/PETZ/kZm/Awichがライヴ・アクトに登場。DJにはDJ/プロデューサーとして韓国の音楽シーンを活性化させているKINGMCK、KOHHやBAD HOP勢、kiLLaなど先端の音楽を提示するアーティストへの楽曲提供も多いKM、「YARIGASAKI MOST WANTED」など数々のパーティを沸かせるshakke-n-wardaaが登場。日韓のアーティストを中心にしながら、国という枠組みを超えた、「世界的な現在進行系」を表現する夜になりそうだ。

多様性の街として、新たな文化の発信源として、クロスオーバーを原動力として、動き続ける渋谷。
それを音楽面から表現する事になる「SUPER SHIBUYA EXPO LIVE」。
音楽とこの街の「その先」を楽しもう。

Text by 高木”JET”晋一郎